自分の身を危険に晒して人を助けるのは義務か
カントの義務区分
完全義務 いかなる状況下でも従わなければならないもの。
不完全義務 通常従うべきだが事情によって従わないことが許容されるもの。努力義務ともいう。
新幹線でナタを持った男に襲われている人を助けるという行為においては、助けようと試みた場合に自らの身体に危害が加わることが容易に予想できる事情があるので上の引用の不完全義務にあたる。従って、仮に助けようとすればこの行為は称賛されるが、助けずに自分の身を守るために逃げたとしても非難はされない。
掲示板の5chでは犯人ともみ合った男性に他の乗客が加勢しなかったことを非難する書き込みが散見されたが、それは他者への要請として度が過ぎていると言わざるを得ない。
ネット民の特性であるかもしれないが、こういう人たちは自他の区別が曖昧なのである。