好きな曲を語るコーナー

1 花ハ踊レヤいろはにほ

 


ハナヤマタ OPテーマ「花ハ踊レヤいろはにほ」(short ver.)

 

作詞:畑亜貴
作曲・編曲:田中秀和MONACA

 

すべてが完璧だよね、この曲。私的オールタイムベストアニソン第一位ですわ。アレンジのシンプルさも、歌詞もミックスも大好き。何より田中秀和の巧みな作曲上の技法。理論的に複雑でありながら聴感上シンプルに収めるのしゅごい。コード進行なんかに関しては散々語られてる曲だから詳細は控えるけど、やっぱり自分の色を出しながらも普遍性のある楽曲としてまとめ上げてるのって普通出来ない。やばいぜ田中秀和

 

2Cocoro Magical

 

作詞:カナボシ☆ツクモ

作曲・編曲:y0cie


『Tokyo 7th シスターズ』- Cocoro Magical

 

Tokyo 7th シスターズの曲。一曲目の花ハ踊レヤいろはにほとは違ってかなりにぎやかなアレンジ。これでもかってくらい音が詰め込まれてるね。作編曲はy0cie。この人はもともとEDMやサンプリングを多用した楽曲を作ってた人でもあるんだ。だからすごく電子音の使い方や細かい音の入れ方なんかに特徴があるね。今風のmassive的なリードやまさに隙間に音を詰め込んでいく形とか。一方でy0cieさんはそういう今っぽいところがありながら、この曲や「恋愛したいっ!」なんかに代表されるように王道を行くメロディもかく人なんだ。いい!こういうのいい!なんでもそつなくこなしつつ最新の音だとかやり方取り入れるのいい!

 

3 imoutoid - PRAT2, PART3

 


imoutoid - PRAT2, PART3

 

最後に紹介する曲は僕の大好きなimoutoidの楽曲。imoutoidという人は彼が十代のころから優れたクオリティのDTM作品をネット上に公開していたある種の伝説なんだ。エレクトロ音楽の鬼才。日本のaphex twinという人もいるくらいだ。この曲に関しても彼が16歳にして作ったもの。アニメ(ゲーム)、ダカーポの楽曲をサンプリングした全く新しい発想の曲。いまでは当たり前になったボーカルカットアップも取り入れながら、すごく斬新で瑞々しいリズムを構築している。ベースやコードバッキングのリズムなんかも16歳にして日本人離れしている。もうかなわないよね。

彼はブログも書いていたんだけど、読むとその作業力と楽曲制作における理解力に驚愕。例えばそのブログには、僕がわかる範囲で言うと、DAWのかなり込み入った機能の連携について書かれていたり、すごく短いティック単位でハンドクラップの音をいれてリズムを構築したり、和声進行の細かいところに気を配りながら繋ごうとする、目を見張るほどの彼の努力が打ち明けられていたりする。こんなこと十代の子が気にするのって感じのことばかりだ。ドラムのキックを一回USBメモリにコピーして使ったときの音の変化なんか書いていたのには笑うしかないけど。どんな耳なんだ。

加えて彼はプログラミングにおいてもその才能を発揮したのが驚きだ。SuperColliderを使った作曲に始まり、Reaktorによる開発にもかなり精通していたようだ。どちらも日本語のまともな解説テキストなんてないため、普通ならすこし理解しようとするだけでもかなり苦労するはずにもかかわらず。

本当に残念なのは彼が18歳にして亡くなったこと。生きていたら27歳。どんな面白い曲を書いてくれたのかとか、もしかしたらvstプラグインなんかの開発者になっていたのかもなんて空想しては悲しくなってしまう。しかし、きっと彼の楽曲の影響はこれからの音楽制作者に及んでいくはずだ。それだけ素晴らしいものを聞かせてくれたのだ。僕はこの人のことを語り継いでいきたい。